琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

骨董録 - 翻刻

骨董録 - ページ 80

ページ: 80

翻刻

【右頁】 日をかさねて後對馬守客館使岡部美濃守長泰 館伴兩長老と共に信使と對議するに其日申時 の初より夜半に過れとも事決せす對馬守か家 人《割書:平田直右衛門|眞賢と申す》進て申けるは我島主祖先以來 隣好の事を掌る事既に百餘年今義方か時に當 て諸君の爲に誤られて兩國の和を失ふへきは 吾國の 御爲のみにあらす朝鮮の御ためにも 然るへからす所詮諸君みつから階を下りて官 使を迎送せらるへき事かなふましくは某等諸 君をたすけて階を降り升【のぼ】りて其禮を終ふへし といひしに其詞屈して副使病してこゝにあら す彼と相議して答申すへしとて其夜もすきぬ 【左頁】 對馬守か家人等密に相謀りて信使等階を降ら さらんには我我とつて引おろすへし相従ふ軍 官共信使をたすけんとするものをは一一にか らめとれとて其組手共を定めし事とも漏聞え しにや此事も又つゐに我國の約束には隨ひた り《割書:其後彼國の學士此事を論し申すは改定めら|れし所盡く禮制に相かなひし事談論するに》   《割書:も及はすたゝ國命をうけし日に聘事例のこと|くに行へしと有しに其例に變すへき事國命に》 《割書:たかふか故なり|と申せしとなり》都下に至るにおよひて改定めら  るゝ所の禮制を以て對馬守に下されて信使等 に示し諭す《割書:此時信使等驚き顧て明主なる哉と|歎し申てさらはおのれ等も公服を》 《割書:以て見へ奉る事然るへからす朝服をそなふへ|しとて金冠玉佩等の服をそなふ此儀は此度を》 《割書:以てはし|めとす》信使進見の儀盡く改定られし禮のこ