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【右頁】
日をかさねて後對馬守客館使岡部美濃守長泰
館伴兩長老と共に信使と對議するに其日申時
の初より夜半に過れとも事決せす對馬守か家
人《割書:平田直右衛門|眞賢と申す》進て申けるは我島主祖先以來
隣好の事を掌る事既に百餘年今義方か時に當
て諸君の爲に誤られて兩國の和を失ふへきは
吾國の 御爲のみにあらす朝鮮の御ためにも
然るへからす所詮諸君みつから階を下りて官
使を迎送せらるへき事かなふましくは某等諸
君をたすけて階を降り升【のぼ】りて其禮を終ふへし
といひしに其詞屈して副使病してこゝにあら
す彼と相議して答申すへしとて其夜もすきぬ
【左頁】
對馬守か家人等密に相謀りて信使等階を降ら
さらんには我我とつて引おろすへし相従ふ軍
官共信使をたすけんとするものをは一一にか
らめとれとて其組手共を定めし事とも漏聞え
しにや此事も又つゐに我國の約束には隨ひた
り《割書:其後彼國の學士此事を論し申すは改定めら|れし所盡く禮制に相かなひし事談論するに》
《割書:も及はすたゝ國命をうけし日に聘事例のこと|くに行へしと有しに其例に變すへき事國命に》
《割書:たかふか故なり|と申せしとなり》都下に至るにおよひて改定めら
るゝ所の禮制を以て對馬守に下されて信使等
に示し諭す《割書:此時信使等驚き顧て明主なる哉と|歎し申てさらはおのれ等も公服を》
《割書:以て見へ奉る事然るへからす朝服をそなふへ|しとて金冠玉佩等の服をそなふ此儀は此度を》
《割書:以てはし|めとす》信使進見の儀盡く改定られし禮のこ