翻刻
しるし出(いだ)せり又/塩辛(しほから)の類(るい)など
つね〳〵風ひかざるやうたくはへ
置(おき)とりつなぎの肴(さかな)とすべし
木(き)の芽(め)花柚(はなゆ)など吸口(すひくち)になるものは
随分(ずいぶん)たくはへおくべしそまつの
料理(りやうり)にても吸口にて大(おほい)にひきた
つるものなり
一/味噌汁(みそしる)はよくたきたるよし
すまし汁(しる)はさらりとたきたるよし
そのうちばんざいはこつてりとした
るうけよし客用(きやくよう)はさらりとし
たるそしりすくなし
一/家々(いへ〳〵)の風儀(ふうぎ)により仕なれの料理と
いへるものあり嫁入(よめいり)りしたる女(をんな)などは日用(にちよう)
番(ばん)ざいにいたるまで其家(そのいへ)の風(ふう)の料理(りやうり)に
したがひかならず我(わか)まゝの献立(こんだて)など
すまじき事なりたとへいかほどせた
いよくしたるとも女(をんな)はとかくすなをに
して其家(そのいへ)の風(ふう)にしたごふこそ道(みち)
なるべけれすべて女(をんな)はころもの
たちぬい食事(しよくじ)の調(ちやう)しかたを
第一(たいいち)とすれば貴(たつとき)もいやしきも