翻刻
【右丁】
こと是也
弟 世界をてきと云は世間は我等か為には何たる
物そ
師 世間にする悪行悪事又悪人を名付て
世間と云そ
弟 世間は何と様にてんたさんをすゝむるそ
師 右に申せし悪行悪事と又は悪人の
悪きさうたん以下をおもひいたさする
者也
弟 此等の儀をふせく道はいかん
師 其道はてうすの御おきてと御主せすきり
しとを初として善人達の御さけう
【左丁】
をおもひ出す事也
弟 にくしんをてきと云は何事そ
師 うけつゝく初の科によて悪き生得の此
色身を云也其上みつからおかしたる科に
よてあしきくせのしうまんしたる所
をさしてかく名付也
弟 此色身は何とてんたさんをすゝむるそ
師 身にある悪き生得と悪きくせを以て科
にかたふくる者也
弟 其悪き生得とあくへきは何事そ
師 心中におこるみたりなるのそみ也是即心を
くらまして悪を見知ぬ様にする者□【也】其