翻刻
【右丁】
て天地まんさうをなき所より作り出し
たまひ御身のくらうりあと我等か徳の為に
そたておさめ給ふと申心也
弟 御主てうすなき所より万事をあらせ給ふと
有事を分別せす其故は御作の物は皆
御身の御ちゑ御分別より出し給ふと
見ゆる也然るときんはなき所より作り
給ふとはいかん
師 此ふしんをひらく為に一の心得肝要也そ
れと云はてうすの御分別の内には御作の
物は一もなしといへともそれ〳〵のしよさう
こもり給ふ也其しよさうを本語に☩いてあ
【左丁】
と云也此いてあは作の物にはあらすたゝてうす
と同体也然るにてうすはまんさうを作り
給ふ時御身の御分別に持給ふいてあに
応して作り給ふ也それによて御作の物は
御ないせうより出したまふことにはあらす
たゝなき所より作り給ふ也其故は作り
たまはん為に道具も下地もたねもなく
してたゝあれとおほしめす計を以て作り
給ふ也たとへはだいくはいゑをたてんとす
る時まつ其さしつを我か分別の内に
持それに応してそのいゑを作る也されは
外につくるいゑは分別の内のさしつには