翻刻
【右丁】
師 御主せすきりしとてうすにて御座ま
す御所はてうすはあてれと同き御正体
御ちゑ御せひりき一つとしてかはり給ふ
事なき実の御ひとり子にて御座ます
と申心也
弟 てうす何とやうに御子を生し給ふそ
もしいんやうけうくはひの道をもてか
師 てうす御子を生し給ふと聞奉る時は人間
のわさのやうにいやしくおもふへからす
すひりつある御体とてしきさうをはなれ
給ふしやう〳〵の御体にて御座ませは也
てうす御子を生し給ふ事はなつうらの上
【左丁】
なるすひりつあるてうすのくはうたいむへん
のゑんてんしめんとを以て生し給ふ也
此の儀は人間のうすきちゑにはをよふ所に
あらす
弟 たとへをもて此儀をせう〳〵あらはし給ふ事
叶はすや
師 及はすなから一のたとへを云へしかゝみにむ
かふ時は我かかけのそれにうかふかことく
御主てうすはあてれ御身のなつれさ諸
善万徳共に御身のゑんてんしめんとに
むかひ給ふ時かゝみにかけのうつるかことく
に御身と万事共にひとしきすゝたん