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【右丁】
弟 かりす【注①】をおかませ給ふ時は何れのおらしよを
申されけるそ
師 一さいの人をたすけ給はん為にくるすの上
にてなかし給ふ御主せすきりしとの貴き
御ちをおかみ奉ると申おらしよ是也
弟 此みいさの貴きさきりひいしよはいかなる
心あてを以てさゝけ奉らるゝや
師 其心あては三あり一には御恩の御れいとし
てさゝけ奉る也二には我等か科のつくのひ
としてさゝけ奉る也三にはなをいやましに
御恩をうけ奉らん為にさゝけ申者也
弟 みいさのさきりひいしよはいかなる人の徳
【左丁】
となり給う給ふそ
師 世界にいきなからゆる人の為計にあらす
ふるかたうりよにゐらるゝあにまの為にも
大なるたよりとなる者也それによて生死の
人の為にみいさをおかみおこなはせ奉る事は
大きなる功力となる也
弟 第二のまためんとはなにとわきまゆへきそ
師 善悪をわきまゆるほとのねんれいなる
きりしたんはいつれもゑけれしやの御
さためのことくこむひさんをきゝ給ふへき
はあてれありあひ給はん時せめて一年に
一度くはれいずま【注②】にこんひさんを申へし
【注① カリス 聖杯 キリスト教の儀式である聖餐に用いられる杯】
【注② クハレイズマ quaresma 四旬節 四十日間の季節】