翻刻
【右丁】
善あり其外あにまの三のほてんしや【注①】色身
のせんちいとす【注②】をまもるたしなみ是也
弟 其七の科にむかふ善はいつれそや
師 一にはけうまんにむかううみるたあて二には
とんよくにむかうりへらりたあて【注③】三にはしや
いんにむかうかすちたあて四にはしんいに
むかう☩はしゑんしや【注④】五にはとんしきに
むかうてんへらんさ【注⑤】六にはしつとにむかう
かりたあて【注⑥】七にはけたひにむかうてうすの
御奉公にすゝむちりせんしや【注⑦】是也此けたい
と云はてうすの御奉公の為にみたりなるか
なしひたいくつの事也
【左丁】
弟 あにまの三のほてんしやとは何事そ
師 一にはすきし事をおもひ出すめもうりやの
せい二には物を知りわきまゆるゑんてんち
めんとと云せい三にはにくみあいするにかた
ふくおんたあてと云せい是也
弟 何とて是をあにまのほてんしやとは云そ
師 あにまにそなはる三のなつらるせいなる
ゆへ也是は此身をはなれて後もあにまにと
もなひ行者也是をもて即後生のくらく
をうくるたうくとなる也
弟 色身の☩せんちいとすはいくつありや
師 五あり是即けんにひせつしんの事也
【注① potencia 能力】
【注② sentido 感覚・意味 sentidosは複数形】
【注③ liberalidade 寛大】
【注④ paciencia 忍耐】
【注⑤ temperanca 節制】
【注⑥ caridade 愛の徳・慈悲】
【注⑦ digigencia 精進】