翻刻
【上段】
【枠内 前コマ上段の続き】
或(あるい)は血(ち)或は虫(むし)など出ること妙なり
大阪道修町一丁目 紀伊国屋卯兵衛製 【刻印 尚栄】
【次枠】
大難病中風一代おこらざる秘法
同かく御符 先年の通差出すもの也
右 大難病(だいなんびやう)おこらざる秘法(ひはう)の儀(ぎ)日本 無双(ふさう)の秘法にて予が家代々六百年
余(よ)秘蔵(ひぞう)すといへども年輩(ねんはい)七十九才にならでは始(はじめ)不被申 故(ゆへ)太閤秀吉公(たいこうひてよしこう)御
存命(そんめい)の節(せつ)迄三 度(と)これあり其後(そのゝち)八代是まで絶切(たへきり)候処去る子年我七十
九才に相成候へは先祖(せんぞ)の遺言(いひげん)に従(したが)ひ子年より貴賎(きせん)是(これ)を施(ほどこ)すもの也
右 難病(なんびやう)中風は不及申に各(おの〳〵)我身(わがみ)の上に何(いつ)発(おこる)といふことをしらず依(よつ)て
一代おこらざる秘法(ひはう)を施(ほどこ)すもの也 然(しか)るに銘々(めい〳〵)家業(かげう)に付 旅(たび)他国(たこく)
する人 野山(のやま)舩中(せんちう)は不_レ及_レ申 我家(わがいへ)遠近(ゑんきん)を不嫌(きらはず)発(おこ)る難病(なんびやう)なればかく
申内 今(いま)立所(たちところ)にて発(おこ)るもしれず殊(こと)に卒中風(そつちうぶう)は即死(そくし)する也此難病
発(おこ)ると忽(たちま)ち惣身(そうみ)手足(てあし)なへしびれ詞(ことば)もわからず大小便(たいせうべん)出るもしらず
死人(しにん)同前(とうせん)の身(み)となり苦(くるしむ)事年月限なし然は我(われ)一代夫切今 四方(よも)に
此 難病(なんびやう)流行(りうかう)して男女 煩(わづら)ふ人多し各々今 達者(たつしや)当にならす依て
秘方(ひはう)施(ほどこ)す者也 昔(いにしへ)太閤秀吉此 秘方(ひはう)御請被遊御 称美(しやうび)の御詞に此 秘方(ひはう)
中風においては誠(まこと)に惣身(そうしん)命(めい)之 宝蔵(ほうぞう)也と御 褒美(ほうび)の御 声(せい)にあづかり然者
貴賎(きせん)各是に随(したが)ひ此 秘法(ひはう)を請(うけ)長寿(ちやうじゆ)延命(ゑんめい)宝蔵(ほうぞう)建置(たておく)べきこと也
前段(ぜんだん)申通八代 中絶(ちうぜつ)有之候 稀(まれ)之秘法此度此 難病(なんびやう)のがるゝ幸(さいわ)ひ
来りしと思はゝ片時(へんし)もはやく受置(うけをく)べきこと肝要(かんやう)也
【屋号 曲に吉】此印有 《割書:御符出日 三日 十三日 廿三日| 八日 十八日 廿八日| 京西洞院五条下ル上より| 施主 了海》
【次枠】
大人(おとな)小児(ことも)ともに薬(くすり)きらひの症(しやう)あり。しひて薬(くすり)を用(もちひ)れは。かへつて害(かい)を
なすものなり。此(この)御薬(おんくすり)黒焼(くろやき)なれば。すこしもかぎ。又あぢはひなし。殊(こと)に
うなぎにて用(もちふ)れば。薬(くすり)をのむやうになし。但(たゞ)しうなぎきらひはさゆにて
用(もち)ひてもよし又(また)別(べつ)に丸薬(ぐはんやく)に製(せい)したるあり
【次枠】
幼少(ゑうせう)より眼(め)をいろ〳〵わづらひ。目(め)のうちあかくなり。あるひはとりめ。又(また)は
目(め)にほし出(いで)。かゝりものかゝり。日月(じつけつ)の光(ひかり)をうしなふといふとも。此(この)御薬(おんくすり)
をうなぎにて用(もちふ)れば。たちまち両眼(りやうがん)あきらかなる事(こと)神(しん)のごとし
但(たゞ)しうなぎきらひには。さゆにて用(もち)ひてもよし○ほうさうはしかの
おもきと。驚風(きやうふう)にて目(め)をみつめ。又(また)は物(もの)におどろきたるは。さゆにて
用(もち)ふ。右(みぎ)そくかうある事(こと)。数人(すにん)試(こゝろみ)たるを以(もつ)て。追(おつ)てこゝにしるす
【次枠】
小児(せうに)十歳(ぢつさい)よりうちに。手足(てあし)をびくめかし。そらめづかひするは。つゐに
そりかへり。目(め)をみつめ。あやうきにいたる。又(また)鼻筋(はなすぢ)に青(あを)き筋(すぢ)横(よこ)に
出(いで)て。あたまのすぢ張(はり)。おどりの所(ところ)高(たか)くやはらかにはれ。たび〳〵乳(ち)
をあますは。驚風(きやうふう)の下地(したぢ)なり。兎角(とかく)乳(ち)をあまし。そらめづかひ
するは。油断(ゆだん)すべからず。早(はや)く此薬(このくすり)を用(もちひ)て。おこらざるうちに治(ぢ)すべし
右(みぎ)国土散(こく[ど]さん)は男女(なんによ)とも当歳(たうさい)子にても大人(たいじん)にても御薬(おんくすり)同製(どうせい)也(なり)
【下段】
【枠内 前コマ下段より続き】
一神仏又は貴人の前に出るとき四五粒つゝ用れは手水
うがひのかはりに成り身を清浄ならしむ
価《割書:大包 代 壱匁|小包 代 五分》 用ひ様口中にて能かみくだきのむ
調合所《割書:大坂過書町せんだんの木西へ入》味岡閑笑軒【刻印 寿】
【次枠】
大人小児せき一通り請合の妙薬
一粒金丸 料 銀 一匁
一たんせき 一むしせき 一ひえせき
一かぜせき 一らうがいせき 一さんぜんさんごのせき
一ぜんそくせき 一しやくせき 一よはみのせき
一諸病ともせきにてよこにねがたきに用て其かう
如神其外何ほと年久しきせきにても此丸薬用
ゆれはたち所にて治する事きめう也おもきせき
には一日に二りうづゝ用ゆかるきせきには一日に
一りうづゝ用ゆべし大人小児とも諸薬さし合なし
用ひやうはさたうゆにて用てよし委敷(くはしき)は本能書(のうしよ)に記す
本家 丹州 芦田製
大阪長堀三休橋塩町角
弘所 芦田豊治
取次所 京都堺町通三条下る西側 鱗形屋孫兵衛
同 大坂瓦町難波橋南へ入 丹波屋安兵衛
同 同伏見町淀屋橋西へ入 平野屋長兵衛
同 同本町橋東詰北へ入 岡嶋氏
同 同 ざこば町 阿波屋徳兵衛
同 同天満橋北詰一丁西へ入角 播磨屋儀兵衛
同 同北野天神前 ながた源兵衛
同 同新町西大門西へ入 米子屋儀兵衛
近頃(ちかごろ)一粒丸といろ〳〵名付てまぎらはしきによりの
薬うり弘(ひろめ)て仁(じん)■する名所(なところ)御 吟味(ぎんみ)之上御 求(もとめ)可被成候以上