翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - 翻刻

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - ページ 22

ページ: 22

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紋 鳳凰丸(ほうわうぐわん) 主治 価 《割書:小包 三十二銅|大包 六十四銅》                       癪痞(しやくつかへ) 腹痛(はらのいたみ)  五積(ごしやく)一 切(さい)〇痰咳(たんせき)〇留飲(りういん)〇宿食(しよくつかへ)〇疝気(せんき)〇蚘虫(くわいちう)其外(そのほか)   何(なに)によらずはらのいたみ一 切(さい)むねにつかへ肩(かた)脊中(せなか)へこり  気(き)をふさぎ物毎(ものごと)に退屈(たいくつ)しやすき症(せう)用ひて即座(そくさ)に  気鬱(きうつ)をひらき精神(せいしん)ほがらかになる事 神(しん)のごとし 食傷(しやくしやう)  食(しよく)にやぶらるれは腹痛(はらいたみ)吐瀉(はきくだし)或は一身(そうみ)に斑(わん)を発(はつ)しおもきに  至(いた)りては吐血(ちをはき)絶脈(みやくたへる)の症(せう)に至(いた)る速(すみやか)に此薬を用(もち)ひ食毒(しよくどく)をけすべし  愈(いへ)て後(のち)も五六日も必々(かならず〳〵)用ゆべし毒(どく)のこり害(がい)をなす事(こと)なし或(あるひ)は  酒(さけ)のわるゑひ二日ゑひ魚(うを)鳥(とり)茸(たけ)るいのゑひ其外(そのほか)諸毒(しよどく)にあたりたるに  速功(そくこう)ある事 誠(まこと)に海内(かいだい)無双(ふさう)の神方(しんはう)なり其(その)功(こう)用ひてしるべし 霍乱(くはくらん)  くわくらんは暑邪(しよしや)内(うち)にふくし飲食(いんしよく)の和(くわ)せざるよりおこる  腹痛(ふくつう)吐瀉(としや)するは湿(しつ)霍乱(くわくらん)也 吐(はか)ず下(くだら)ず大(だい)腹痛(ふくつう)煩悶(はんもん)」するものは  干(かん)霍乱(くわくらん)也右二 症(せう)とも病(やまひ)の軽(かろき)重(おもき)によりニ三粒(りう)より五六粒(りう)用ひて神功(しんこう)あり 疳疾(かんしつ) 驚風(きやうふう)  小児(せうに)五かん驚風(きやうふう)は胎毒(たいどく)さらさるに乳食(にうしよく)を過(すご)し順(じゆん)和(くわ)せざるより  おこる慢(まん)驚風(きやうふう)に至(いたつ)ては諸薬(しよやく)の功(こう)なし平日(つねに)此薬を用(もち)ひ置時(おきとき)は  胎毒(たいどく)をさり胃中(いちう)を消化(こな)し成長(せいちやう)の後(のち)無病(むひゃう)長寿(てうじゆ)なり 旅行(りよこう)必要(ひつよう)  旅行(たびゆき)には必(かならず)たくわへ持(もつ)べしめまひ立(たち)ぐらみ第一(だいゝち)気付(きつけ)の功(こう)をあら  わす事 奇々妙(きゝめう〳〵)也 殊(こと)に旅行(たび)すれば何(なに)となく腹痛(はらいたみ)瀉下(くだし)する  事(こと)あり朝夕(あさゆう)用(もち)ゆべし水のかわり患(うれ)ひなく船(ふね)駕(かご)に酔(ゑわ)ざる事 妙(めう)なり 夫(それ)元気(げんき)旺衰(わうすい)すれは風寒(ふうかん)暑濕(しよしつ)におかされやすく気(き)みぢかくものにあき 手足(てあし)冷(ひへ)のぼせつよく皮(かわ)膚(はだへ)にうるほひなく耳(みゝ)眼(め)とも力(ちから)うすし此症(このせう)は 元気(げんき)のおとろへ也 是(これ)皆(みな)腸(ちやう)胃(い)順環(じゆんくわん)せず飲食(いんしよく)百骸(ひやくがい)をめぐらざるゆへなり 此薬は胃中(いちう)をよく調化(ちやうくわ)し能(よく)食(しよく)をすゝむる神方(しんはう)なりよつて一身(いつしん)の精力(せいりき) をまし気血(きけつ)をおぎなひ根気(こんき)をつよくし百病(ひやくびやう)発(はつ)せざる良劑(りやうざい)なり 御免調合所  摂州今宮 山田文輔製 【刻印】