翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - 翻刻

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - ページ 34

ページ: 34

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【前コマ続き】 本家長門屋吉兵衛制 一此くすりさんやくにて候 間(あいだ)かいをあけ申ときこほれ申  さぬやうに御とりなやみしかるべく候 【上段】  太平丸主能一名人参掌露錠子 一中風ニよし中風は一度おこれは多くな治しかたきもの也  此丸薬常にのめは一生中風のおこる事なし 一時々に手足しびれ立居なやめるニよし 一せんき腰いたみ腹なりいたみひゆるニよし 一きよぶんの症又かんしかんしやうニよし 一かつけいたみ浮腫あるものニよし 一湿毒をよく解す骨いたみニよしとげてのむべし 一くわくらんニよし又一切のめまいたちくらみニよし 一食傷酒の酔のもちこし船かごにのりて胸あしき  すべてものにあたりたるニよし 一途中などに病症もわからず俄に気をうしない  打たをれ或は切疵矢疵鉄炮疵にてなやめる  たぐひすべて気つけニよし 一しやく一とふりつかれ気うつニよし 一腹のいたみ下りはらしぶりはらニよし 一婦人の諸病さん前さん後ニよし又月の  めぐりあしき女ニよし 一小児の急病驚風むしおさへニよし 一ほうそう山あげかねるニよしよけいにのますべし  ほうそうはしかの前にのませ置は軽かるべし 一毎朝此丸薬をのめば暑をさけ寒をふせく  邪気疫れいを受ず海にわたり山に入るものは猶更也 右何れも一度に廿粒ほどツヽさゆにてのむべし 病の軽重により日を重ね月を重ねてものむべし 小児はほうそうの外は五粒十粒にかぎるされど やまひの軽重をはかりのますべし      諸薬さしあふ事なし    其外毒虫のさしたるにしがみてつけ牛馬の病に    五十粒百粒計りくだきてのますべし奇妙ニよし 此薬第一体をすこやかにし気血をめぐらし五臓の不 足をとゝのへ万病にきくといへども是迄用て速に なをりし病のみをあげて主能とす薬をよく吟味し 製法に念を入我も信じてのみ人にものますべし   けい長とらの五月しるす 此(この)能書(のうがき)は往昔(むかし)より予(よ)が家(いへ)に書伝しまゝを 【下段】 【傘吉】《割書:家|伝》しらちなが血の御薬《割書:功|能》 ○凡(およそ)経水(けいすい)は月毎(つきごと)六日七日めぐるを常(つね)とするなり 爾有(しかる)を不止事(やまざること)十日も過(すぎ)半月(はんげつ)にも及(およ)び又(また)は月中(つきぢう)も 下(くだ)りて臭(にほひ)悪敷(あしき)もあり或(あるひは)経水(けいすい)久(ひさ)しく下(くだ)りて 後(のち)白水(しろみづ)のやうなるもの絶(たへ)ず下(おつ)るを治(じ)す ○経水(けいすい)めぐる度毎(たびごと)に腹痛(はらいたみ)或(あるひは)経水(けいすい)の色(いろ)紫黒(むらさきくろ)く 又(また)は淡白(うすしろ)く或(あるひは)五日十日づゝ前(まへ)より次第(しだい)に後(おくれ)月頭(つきかしら)になり 月末(つきずへ)になり或(あるひは)二三ヶ月(げつ)に一 度(ど)めぐりなどする症(しやう)あり初(はじめ)は何(なに) の悩(なやみ)も覚(おぼ)へねども是(これ)不順(ふじゆん)の兆也(もとひなり)早(はや)く此(この)薬(くすり)を服(のみ)てよし ○経水(けいすい)不順(ふじゆん)にして腫気(しゆき)を発(はつ)し或(あるひは)発熱(ねついで)頭痛(づつう)し 不進食(しよくすゝまず)又(また)は痩(やせ)衰(おとろ)へ或(あるひは)逆上(のぼせ)面浮(かほはれ)耳鳴(みゝなり)耳聾(みゝとをく)又(また)は 眼(め)あしく気鬱(きむつかしく)時々(とき〴〵)胸(むな)さき腰脊(こしせな)へさし込(こみ)四肢(てあし)拘(ひき) 攣(つり)痺(しびれ)又(また)は大便(だいべん)秘結(ひけつ)し或(あるひは)口舌咽喉(くちしたのんど)あれ歯痛(はいたみ) 悪臭出(あしきにほひいで)又(また)は手足頭面(てあしかしらかほ)等(とう)にふきで物(もの)或(あるひは)瘡(くさ)を生(しやう)じ 痒(かゆ)く又(また)は痛(いたみ)膿血(うみち)など流出(ながれいで)或(あるひは)玉門(ゐんもん)痒(かゆ)く又(また)腫痛(はれいたむ)によし ○血崩脱血(よぶんちをり)して眩暈(めまひたちぐらみ)顔色(かほいろ)あしく気空(きぬけ)し気(き)むらに なり又(また)久敷(ひさしく)しては髪落(かみぬけ)痿癖足(あしこしなへ)歩行不能(あるくことかなわざる)によし ○経水(けいすい)めぐりを違口(たがへくち)より出事(いづること)あり尤(もつとも)大事(だいじ) なり此(この)薬(くすり)一廻(ひとまわ)り分(ぶん)三日づゝに服(のみ)てよし ○年(とし)四十八九 歳(さい)に及(なり)ては大概(おゝかた)経水(けいすい)断(とまる)べきに五十 歳(さい) 過(すぎ)ても不止(とまらず)又(また)は一たんおさまりて三五 年(ねん)或(あるひは)十 年(ねん)も立(たち)て復(また)めぐりなどするによし ○経水(けいすい)久敷(ひさしく)滞(とゞこほり)腹(はら)硬(かたく)こばみ後(のち)には塊(かたまり)をなし世(よ)に言(いふ)亀(かめ) 腹(はら)の如(ごと)くなりては容易(たやすく)治(じ)がたし此(この)薬(くすり)一 回分(まわりぶん)を二日 づゝに用(もち)ひ日数(ひかず)久敷(ひさしく)服(ふく)せば其(その)功(こう)を得(ゑ)といふ事(こと)なし ○懐妊(くわいにん)の内(うち)胸(むね)つかへきみづを吐(はき)噫気(おくび)など出(いで)いろ〳〵 悩(なやみ)あるに用(もちひ)て胎(たい)を泰(やすん)じ安産(あんさん)する事(こと)うたがひなし ○産後(さんご)血(ち)のみち暈(めまひ)あとはらの痛(いたみ)胞衣(あとざん)のひかへを よく下(くだ)すなり其外(そのほか)産後(さんご)の諸病(しよびやう)によし ○産後(さんご)其(その)性分(しやうぶん)不相応(ふさうおう)に悪露(おりもの)すくなければいろ〳〵 病(やまひ)をなす此(この)薬(くすり)を服(のめ)ば後(のち)に至(いた)りて瘀血(おけつ)よりおこる病(やまひ)なし ○男女(なんによ)湿骨(しつほね)うづきに用(もちひ)て悪物(あしきもの)下(くだ)る人(ひと)もあり治(しす) る事(こと)妙(めう)なり或(あるひは)下疳(げかん)にも服(のみ)てよし ○男女(なんによ)下血(げけつ)五痔(ごじ)脱肛(だつこう)別而(べつして)はしり痔には即効(そくこう)有(あり)