翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - 翻刻

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - ページ 37

ページ: 37

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【『 心之疳 』】 【めのにくになみだあり○はなのしたゞれ○ひたひあかし. 頬あかし○こうち】 【うかさあり○のんどかはき.あるひははるゝ○きおそくなる○つねにはら】 はる.又ねつけあり○ものにおどろく○あつきものをこのむ○だいせうべんあかし 『肝之疳(かんのかん)』 めのしろみにすぢおほし○めしぼめく○とりめとなり.又つぶる□□あり ○五さいごろまで.あるくことたしかならず○七さいごろまで.ものいふことすく なく○おとがひかたぶき.又むねにつくもあり○てあてあしのすぢひつぱり○身ゆがむ○ ちんばになり○こしひきつり.又ぬくるもあり○身やせうつぶせにねる○いんのう しめり○いんきやうをいぢる○小べんしげく大べんあをし 『腎之疳(じんのかん)』 たんをはき○こゑかはる○くちはなめのふちにかさいて.又身にもいづる○ かんねつあり○やせる○はくろくなる○けしずみをこのみくひ又はかみ をしがみ.しほたうがらしなどをくふもあり○せぼねそり○あたまねつし.あしひゆる ○ゆみづをこのみ○せうべんつまりてしげし○だいべんくろし 右(みぎ)病症(ひやうしやう).五疳(ごかん)のわかちありといへども.其(その)病(やまひ)を生(しやう)ずる所(ところ)は.脾胃(ひゐ)虚損(きよそん)し. 臓腑(ざうふ)調和(てうくわ)せず.中焦(ちうせう)に食物(しよくもつ)鬱滞(うつたい)して■れがたく.元気(げんき)つかれ.肌肉(きにく)痩(やせ)て. 竟(つひ)に疳病(かんびやう)となり.諸症(しよしやう)に変(へん)じ.療治(れうぢ)ひまどる間(あひだ)に.病(やまひ)つのり.難治(なんぢ)に 至(いた)るもの.甚(はなは)だ多(おほ)し.依(よつ)て今(いま).病家(びやうか)の心得(こゝろえ)にもと.疳病(かんびやう)の見所(みところ)あらまし. 口伝(くでん)の中(うち)より略(りやく)してこゝにしるせり.此(この)薬(くすり)よく脾胃(ひゐ)を補(おぎな)ひ.臓腑(ざうふ)を 調(とゝの)へ.鬱滞(うつたい)を開(ひら)くの効(かう).尤(もつと)も速(すみやか)なる事(こと)は.用(もちひ)て二三日の内(うち)に.気(き)軽(かろ)くなり. 或(あるひ)は黒(くろ)き大便(だいべん)を一二 度(ど)通(つう)ずるもあり.至(いたつ)て重(おも)きも.七日(なぬか)の内(うち)に.験(しるし)を見 せずといふ事(こと)なし.誠(まこと)に神方(じんはう)不可思議(ふかしぎ)の霊薬(れいあく)なり.其(その)効(かう)尽(こと〴〵)く述(のべ)がたし 大人(だいにん)男女(なんによ)共(とも)其(その)生質(うまれつき)により.虚弱(きよじやく)にて.幼少のうち.養生(やうしやう)調(とゝの)はず.年(とし)経(へ)て後(のち). 何(なに)となくぶら〳〵とわづらひ.気(き)倦(うみ)体(たい)労(つか)れ.かんしやくつよくたんきにて腹力(はらちから) なく.気(き)の方(かた)癆症(らうしやう)等(など)に似(に)たる病(やまひ)にて.難儀(なんぎ)の人(ひと)多(おほ)し.是等(これら)に用(もちひ)て甚(じん) 妙(めう)なり.但(たゞし)成長(せいちやう)の後(のち).此(この)病患(びやうくわん)あるべきや否(いなや)は.前(まへ)にしるす五疳(ごかん)の見やうの 所(ところ)にて.小児(せうに)の内(うち)に考合(かんがへあは)せ.其(その)症候(きみあひ)あるには.早(はや)く此(この)薬(くすり)を服(ふく)して.後(のち)の害(かい)を除(のぞ) くべし.是(これ)所謂(いはゆる)未病(みびやう)を治(ぢ)するの上策(しやうさく)なり 此(この)御薬(おんくすり).いづれもうなぎにて用(もち)ふ.くはしくは包紙(つゝみかみ)にしるせり.右(みき)鰻鱺(うなぎ)を 小児(せうに)にあたへて.効能(かうのう)ある事(こと)は.医書(いしよ)にも出(いで).人々(ひと〴〵)も知(し)る所なり.されば鰻(うな) 鱺(ぎ)能(よく)脾胃(ひゐ)を補(おぎな)ひ.虫(むし)を殺(ころす)といへども虫(むし)脾胃(ひゐ)より生(しやう)する所(ところ)の.諸難症(しよなんしやう)を 治(ぢ)する効(かう)あるにあらず.但(たゞ)佐薬(たすけくすり)として.君薬(おもぐすり)を順回(ひきまはす)の効(かう)は他(ほか)に及(およ)ぶ物(もの)なし. 此(この)国土散(こくどさん)の君薬(おもぐすり)に.うなぎを佐薬(たすけぐすり)とする事(こと)は.其(その)治効(ぢかう)を速(すみやか)にするのみ ならず.深(ふか)き医案(いあん)ある事(こと)なれども.事長(ことなが)ければ此(こゝ)に略(りやく)せり○うなぎ不自(ふじ) 由(いう)なる地(ところ).又は嫌(きら)ひの方(かた)には.別(べつ)に丸薬(くわんやく)に製(せい)したるあり.効能(かうのう)異(かはる)事(こと)なし 御薬料定 小包 《割書:当歳子には日 数(かず)見合に用|二三歳は両日に用る□》代銀七分五厘○二三歳の一廻り七日分代銀二匁五分 中包 《割書:四歳より七歳迄の一廻り分代銀五匁|八歳より十一歳迄の一廻り分代銀七匁五分》 《割書:同半廻り分代銀弐匁五分|同半廻り分代銀三匁八分》 大包 《割書:十二歳より十五歳迄の一廻り分代銀拾匁|大人に用る一廻り分代銀拾五匁》 《割書:同半廻り分代銀五匁|同半廻り分代銀七匁五分》   《割書:大坂嶋之内中津町なには橋西へ入北側》 本家調合所 綿屋善兵衛 諸方追々取次かんばん出し候間名所印御改之上御求可被下候此方ゟ一切売人出し不申候 【▲腎の臓虚して陽事の威弱く顔色つやなく肌やせ陰】  虚火(きよくは)動手(どうて)の裏(うら)足(あし)のうらに熱(ねつ)有(あつ)て腰膝(こしひざ)ひへ痛(いたみ)肝腎(かんじん)  たかぶり潮熱(てうねつ)有(あつ)て午時(ひるどき)より気分(きぶん)あしく小便(せうべん)赤(あか)く又(また)は  白(しろ)く濁(にご)り疝気(せんき)寸白(すんばく)気短(きみじか)く歯痛(はいたみ)耳鳴(みゝなり)目かすみ婦人(ふじん)  は帯下(こしけ)血道(ちのみち)月水(けいすい)調(とゝのふ)らず血(ち)かれ髪髭(かみひげ)白(しろ)くぬける此類(このるい)に用(もちひ)て《振り仮名:如_レ神|しんのごとし》 右(みぎ)は何(いづ)れも皆(みな)心脾腎(しんひじん)三臓(さんざう)の不足(ふそく)より発(おこ)る病(やまひ)なれば此(この)薬(くすり)を 用(もち)ゆると其(その)諸病(しよびやう)の根本(こんほん)たる三臓(さんざう)をよく調(とゝの)へつよくするによつて 諸病(しよびやう)自(をのづから)治(ぢ)す都(すべ)て虚症(きよしやう)の人(ひと)又は中年(ちうねん)以後(いご)の男女(なんによ)共此(この)薬(くすり)を常(つね)に 用(もち)ゆれば気血(きけつ)をめぐらしよく食(しよく)をすゝめ大(おほい)に腎水(じんすい)を壮(さかん)にし陰陽(いんやう)を 起(をこ)し寒暑(かんしよ)を防(ふせ)ぎ積聚(しやくじゆ)を退(しりぞ)け腸胃(ちやうゐ)を厚(あつく)し筋骨(すぢほね)をつよくし 耳(みゝ)をよく通(つう)じ目(め)を明(あきらか)にす風(かぜ)を除(のぞ)き冷(ひへ)をさり手足(てあし)を温(あたゝ)め音声(をんせい)を 出し肌(はだへ)を潤(うるほ)し体(たい)を健(すこやか)ニし■■(おもて)麗(うるはしく)玉(たま)のごとくし寿命(じゆみやう)を延(のぶる)大仙円(だいせんゑん)也(なり) 御煉薬曲物入代壱匁五分・半剤入代四匁《割書:但壱廻りに|用ゆべし》・一剤 入代八匁    《割書:大坂うなぎ谷三休橋筋西へ入町》 御免調合所 法橋 吉野(よしの)五運(ごうん)    紫雪 此薬 諸(もろ〳〵)の大 熱(ねつ)を解(げ)し毒気(どくき)を消し心気(しんき)を