翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - 翻刻

浪華薬種問屋能書張交帖. 二 - ページ 4

ページ: 4

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【右丁】   物(もの)に退屈(たいくつ)せず 記臆(ものおぼえつよく)する事(こと)神(しん)のことし 若(わかき)-人(ひと)の白(しら)-髪(か)を黒(くろく)し婦(をん)-人(なの)腰足(こしあし)寒(ひえ)便(ひ)-秘(けつ)するによし   小(こ)-児(ども)の乳(ち)-離(ばな)れに。食(たべ)-事(もの)に交(まぜ)用(もち)ゐて。脾胃(ひい)を傷(やぶ)らず 小(こ)-児(ども)多(とし)-年(ひさしく)用(もち)うれば。五(ご)-疳(かん)癖(かた)-塊(かひ)の患(うれ)ひなく。   食(しよく)にあてられず。成長(せいちやう)の後(のち)。必(かなら)ず壮(すこ)-実(やか)なり 此(この)-薬(くすり)常(つね)に用(もち)ゐて流行病(はやりやまひ)に感(かん)ずる事(こと)なし   凡(およそ)此(この)-薬(くすり)一(ひと)-月(つき)用(もち)ゐて。惣(そう)-身(み)潤(うるほひ)を出(いだ)し。胸(む)-膈(ね)をすかし。痰(た)-飲(ん)を治(をさめ)。飲食(のみものくひもの)を和(こな)し。心(こゝろ)爽(さはや)かになる事(こと)を   試(こゝろ)むべし 一(いつ)-切(さい)食(しよく)-物(もつ)さし合(あひ)なし。其(その)-人(ひと)の好(このみ)に応(おう)じ。湯茶(ゆちや)にかきたて。或(あるひ)は水(みづ)。又は食(たへ)-事(もの)に振(ふり)   かけ用(もち)ゐてよし 常(つね)に袖(そで)にして。餒(うゑ)たるを充(みた)しめ。渇(かはき)を潤(うるほ)し。過(くわ)-食(しよく)を消(せう)-化(くわ)する事(こと)妙(めう)なり。   此(この)玄(けん)-々(〴〵)-子(し)煉(ねり)-丹(やく)の製(せい)あれども。蜜(みつ)過(くわ)-半(はん)に及(およ)ぶを以(もつ)て。其(その)-効(かう)薄(うす)からん事を恐(おそ)れ専(もつは)ら治(ち)-験(けん)の   神(そん)-速(そく)ならん事(こと)を尚(たつと)び。修(をさめ)て散(さんやく)とす。且(かつ)は懐(ふところ)にしやすく。而(しか)も服(ふく)して泥(なつ)まざる事(こと)を    御薬料定(おんやくれうのさだめ)《割書:薬-目百-目|同五拾目》 《割書:代-銀三-文-目|同壱-匁五-分》         《割書: |大阪高麗橋三丁目》 本家調合所 玉兎園  岡吉右衛門精製        京都出店 四条富小路西ェ入北側        売弘所 紀刕若山寄合町 岡崎屋吉左衛門 【左丁】 【上段枠外】 御薬弘 ̄メのため毎月廿一日大坂本家にて五十人へほどこし申候 【上段枠内】 《割書:家|伝》脚気即妙散(かつけのめうやく)《割書:一服|》代四十八銅 一右御薬之儀は《割書:予》が先祖(せんぞ)阿州丸岡 家(け)の秘方(ひほう)なり  数(す)百年之 昔(むかし)異人(ゐじん)一人 来(きた)り曰(のたまはく)此邊 難所(なんじよ) ̄ニて脚気(かつけ)差(さし)  おこり難渋(なんじう)する者(もの)無数(すくな)からず爰(ここ) ̄ニ脚気(かつけ)治する奇(き)々  妙々の薬方(やくほう)あり永(なが)く諸(しよ)人の病苦(びやうく)を助(たす)くべしと秘書(ひしよ)を  残して去(さる)所を知(し)らず夫ゟ今 ̄ニ至(いた)り施薬(せやく)同様(どうやう) ̄ニ弘 ̄メ来(きた)り候所  四国 巡拝(じゆんれい)のかた〴〵知(し)り給ふごとく脚気一通 ̄リニおゐては五年  十年の悩(なやみ) ̄ニていか程(ほど)六ヶ敷脚気 ̄ニても此御薬にて治せずと  いふ事なし然 ̄ルに今脚気の病症 ̄ニ悩(なやめ)る人の多(おゝ)ければ一家(いつけ)に  秘置(ひしおか)んよりは広(ひろ)く諸人(しよにん)の病苦(びやうく)をすくひ給へと人々の  すゝめをもださず價(あたへ)を定(さだめ)て普(あまね)く世上(せじやう)に弘(ひろ)むるもの也        功能 一手足うきあるひはしびれ筋(すぢ)ひきつりいたむによし 一 脊(せ)すじ胴(どう)へかけ引付又は心下(むなもと)へさしとり痛 ̄ニ吉一つちふまずより小ぶしひざぶしがくつき痛 ̄ニ吉 一くにかつけひざがつけによし 一かつけしゆまんのせう ̄ニ用てよし 一うちみくじきによし 一せんきによし  其外 病根(びやうこん)かつけの症(せう) ̄ニ候へばいづれの所 ̄ニていたむともかろきは  二三ぶくおもきは十ぶくにいたるまでこと〴〵く治する事 如神(しんのごとし)  道中(だうちう) ̄ニてふみ出し候かつけには其夜一ふく用ひて即功ある  事 奇(き)々 妙(めう)々の良薬(りやうやく)なり御用ひの上ためし知(し)るべし 【下段枠外】 十二月朔日より十日の間 減 ̄シ直段左の通 ̄ニて差上申候  六味丸百目 ̄ニ付代銀三匁  八味丸百目 ̄ニ付代銀三匁八分 【下段枠内】 《割書:六味|八味》地黄丸《割書:定直段|六味百目 ̄ニ付| 代銀四匁三分|八味百目 ̄ニ付| 代銀五匁五分》 右 回春(くわいしゆん)補益門(ほゑきもん) ̄ニ出て《割書:予(わが)》家(いえ)の傳方(でんほう)といふ ̄ニはあらず 然共(しかれども)薬種(やくしゆ)上品(じやうひん)を撰(ゑらみ)製法(せいほう) ̄ニおゐては家(いへ) ̄ニ傳(つたへ)て委(くはしき)事 有(あり) 予(よ)が祖(そ)製(せい)し初(はじめ)てより已来(このかた)功(こう)得る事(こと)年(とし)有 腎虚(じんきよ)三年 腰(こし)立(たゝ)ざる ̄ニ用(もちひ)て歩行(ほこう)健(すこやか) ̄ニ髪(かみ)の落(おち)たるも 更(さら) ̄ニ生(しやう)ずる類(たぐひ)疑(うたがふ)べからず累年(としをかさね)是を試(こころ)み今(いま)以(もつて) 證(しやう)とする事 数(かず)有(あり)常 ̄ニ養生(やうじやう)のため用(もちゆ)る時(とき)は専(もつは)ら 腎精(じんせい)を益(まし)陽道(やうどう)を壮(さかん)になす事 余薬(よやく)の及ぶ事なし 別而(べつして)寒暑(かんしよ)の砌(みぎり)御 用(もち)ひ被成候へば候 功能(こうのふ)はやく暑寒(しよかん)を しのぎ大人小人をきらわず万人万 応(おう)の神劑(しんざい)也