翻刻
清太郎七十にちかく
なりければ
らんぶもたいぎ
なりそろ〳〵
やめて此ごろは
ちやのゆにかゝり
けりそれよりして
高代の茶き
をあつめる事
まこと■【にヵ】かぎり
なしわづか一年
のうちにかい
あつめたる茶の
ゆどうぐおき
所にこまり
三間に十間の#1
くらを二ツたてゝ
つめこむ
【清太郎台詞】
あづきは
のちに
つけたと
いふのが
ふるい
〳〵
【清太郎の相手の台詞】
それはり
きうの
おつ■で#3
ござり
ます
現代語訳
清太郎が七十歳に近くなると、乱舞(能)も大儀(面倒)になり、そろそろやめて、この頃は茶の湯に取り掛かった。それからというもの、高価な茶器を集めることに限りがなく、わずか一年のうちに買い集めた茶の湯道具を置く場所に困り、三間に十間の蔵を二つ建ててそこに詰め込んだ。
【清太郎の台詞】
「小豆は後に付けたというのが古い(作法だ)」
【清太郎の相手の台詞】
「それは利休の奥義でございます」