翻刻
【右丁】
食物(しよくもつ)を夜更(やかう)に及びて腹中(ふくちう)
に満(みつ)るほど用ゆるす【ママ】滞塞(たいそく)
の患(うれへ)あり肉を飽(あく)まで偏食(へんしよく)す
るは尤その害(かい)をおもふべし
脾胃(ひい)よはき人は泄瀉(せつしや)などする
ものなり日(ひ)の中(うち)用ゆる■■し
朝夕の飣(てい)となして少づゝ用
ゆべし尤 脾胃(ひゐ)によはき人は灸(きう)
治をかねてよろし世の人薬
は好(この)めども灸治(きうぢ)をいとひ餌(じ)
食(しよく)は好(この)めども味(あぢはひ)におぼれて
【左丁】
過(くは)食の害(かい)をまねく皆 迷(まど)へり
とすへし
▲養老【上記二文字▢囲み】老人は精気(せいき)おとろへ
陽気不足するゆへに腹中(ふくちう)気
充(みち)ずして常に飢(うへ)たるがご
とく口中気味なくして食を
むさぼる菜肉(さいにく)ともに調味(ちやうみ)
を淡薄(たんはく)にして多(た)食に及(およぶ)
べからす
▲養老(ようらう)の道(みち)は美食(びしよく)にあり
しかれどもおほく用(もちゆ)べからす