翻刻
【右丁】
して間々 乳汁(にうじう)を兼(かね)あとふれ
はよく育(そたち)て害(かい)なきものな
り昼夜(ちうや)よく児(こ)の飢飽(きほう)を
考(かんが)へあたふべし此法こゝろ
むるに甚しるしあり
▲およそ食物は五味(こみ)調和(ちやうくは)し
て偏食(へんしよく)なきをよしとす大
人にはおのづから偏食の患(うれへ)
少し小児は常に辛苦(しんく)【左ルビ:からく にかし】の物
を欠(かく)しかるに甘味をおほく
偏食(へんしよく)するゆへに脾胃(ひゐ)に滞(とゞこほ)
【左丁】
りて病を生す医書(いしよ)に小児
の疳疾(かんしつ)は甘き物を偏食(へんしよく)す
るによりて生ずといへるも
この故なり小児の食物は
常(つね)に心を用(もち)ゆへし小児に
常に反魂丹(はんごんたん)あるひは熊胆(くまのゐ)
等の苦(にが)き薬を間(まゝ)用ゆるも
此こゝろなり
▲京師の老医(らうい)後藤(ごとう)氏 世(よ)の
人にすゝめて常(つね)に蕃椒(たうからし)を食
せしむその意(こゝろ)を伝(つたへ)へ【衍】聞に今