翻刻
【右丁】
の世の人 雑慮(ざつりよ)おほくして精神(せいしん)
を凝(こら)し安逸(あんいつ)に居(ゐ)て気血をし
ぶらし甘味を食(くら)ひて腸胃(ちやうゐ)を
ふさぐしかる故に老少 虚実(きよじつ)と
なく積気(しやくき)腹内(ふくない)腑臓(ふぞう)に結(むす)び
栄衛(ゑいゑ)和(くは)せざるか故に多病(たびやう)を生
ずるを察(さつ)して発明(はつめい)せる旨(むね)に
して蕃椒(たうからし)の気味 厳正(げんせい)純一(じゆんいつ)な
るか故に物に和(くは)して食すれは
快活(くはいくはつ)の気を以て穀肉(こくにく)滋補(じほ)の
味を和(くは)し胃中(ゐちう)胃 外(ぐはい)血脈(けつみやく)皮(ひ)
【左丁】
理少も泥滞(しつたい)なくよく温散(しんさん)
する故に気血(きけつ)を滞(とゝこほ)らしめず
積聚(しやくじゆ)を消し胃(ゐ)を開き食
を進(すゝ)め旧(ふるき)を推(お)し新(あたらしき)を致す
これ予(あらかじ)め形精(けいせい)の不足(ふそく)なから
しむるの為にして孔夫子の
不(す)_レ徹(すて)_レ薑(はじかみを)して食ふ不(す)_レ多食(おほくくらは)と
の給ひしと一般(いつはん)の意(こゝろ)なりと
かや世の人毒あらん事をお
それ或は強(しゐ)て多食(たしよく)せよと進(すゝ)
むるかと疑(うたが)ひ或は偏僻(へんへき)の見(けん)