翻刻
【右丁】
ひ嗜欲(ぎよく)【ママ】を節(せつ)し貧福(ひんふく)窮(きう)
達(たつ)ともに天命(てんめい)にしたがひ心
常(つね)に和平(くはへい)にして楽(たのしみ)をかへ
給はざるがごとくならば灸火(きうくは)
をかりて気(き)を助(たす)くるには及
ぶへからされども今の人は古(いにしへ)
の君子(くんし)には准(じゆん)ずべからず嗜(ぎ)【ママ】
欲(よく)を節(せつ)せず動静(とうじやう)よろしき
にかなはず天理にくらきより
心 常(つね)に飽足(あきたる)ことをしらずし
て気を餒(うへ)しむるより気めぐ
【左丁】
らすして病を生す是を以て
今の世(よ)の人には病ざる時にも
養生(ようじやう)の為に時々(じゞ)灸するを
よしとすしかれば養生に志(こゝろざ)
す人は腎陰(じんいん)は命根(めいこん)のある所
をしりて婬欲(いんよく)を節(せつ)し陽気(ようき)
を尊(たつと)ぶべきを知らば時々 怠(おこた)ら
ず灸(きう)して陽気(ようき)を助(たす)くべし
ながく天年を保(たも)つべし君子
の生(せい)を養(やしな)ひ給ふより見れば
養生の下策(かさく)なるものなれ