翻刻
【右丁】
がたし預(あらかじめ)此 患(うれへ)をおもひ若
病の機(きさし)あるときははやく
治(ぢ)すべし怠(おこたる)べからす已(すて)に
病(やめ)る人は尤 多年(たねん)に灸治(きうぢ)す
べし此 症(しやう)は薬剤(やくざい)にては病(ひやう)
勢(せい)漸(やうや)く退(しりぞ)くともやがて又
発(おこ)るべし針治(しんぢ)も同じ針(しん)
治(ぢ)も多年 怠(おこた)らざれは効(こう)
ありといふ人のあれと灸火(きうくは)
を以人の生(せい)を保(たも)つ源(みなもと)なる
陽気(ようき)を助(たす)けて病おのつ
【左丁】
から退(のぞ)くの効(こう)には及ぶべからず
但 針灸(しんきう)薬(やく)おの〳〵その時を
考(かんが)へ用るの功(こう)を失(うしな)ふべから
ずといへども症(しやう)は尤 灸治(きうぢ)に
効(しるし)おほきのみ
▲病人に灸するに熱痛(ねつつう)にた
へさるを思はゝ初(はじめ)には灸炷(きうちう)【ママ】も
小(ちいさ)くして壮数(さうすう)も病人の気(き)
力(りよく)にしたがひ五壮 十壮 廿壮
ほどつゝ一穴(いつけつ)に灸すべし同
じ穴をかくのごとく日を連(つら)ね