翻刻
【右丁】
あやまり疾(やまひ)おもきにいたれ
ば労(らう)して功(こう)すくなし世(よ)の人
初に怠(おこた)り疾(やまひ)おもきにいたり
或(あるひ)は父母(ふぼ)慈孫(じそん)をうしなひ
て後悔(こうくはい)おほきはおろかなり
常(つね)にいとまあらば無益(むやく)の事
に心を用(もち)ひす医(い)の道(みち)にも
心を用(もち)ゆべししからざれば
看病(かんびやう)の道(みち)にくらく医(い)の
工拙(こうせつ)も弁(わきま)ふへからす程子(ていしの)
曰(いはく)病(やみて)臥(ふす)_二於 床(とこ) ̄に_一委(ゆたぬ)_二之 ̄を庸医(ようい)_一 ̄に
【左丁】
比(ひ) ̄す_二之 ̄を不慈(ふじ)不孝(ふかう) ̄に_一事(つかふる)_レ親 ̄に者 ̄は不(ず)
_レ可(べから)_レ不(さる)_レ知(しら)_レ医(い) ̄を と古人の格言(かくげん)
おもふへし
▲病家(びやうか)の人 医(い)に志(こゝろざし)あれ
ば医(い)の工拙(こうせつ)を知(し)り病人
を扶(たすく)るに益(ゑき)ありしかれと
も我(わが)見識(けんしき)を専(もつはら)にし或(あるひ)はみ
づから薬剤(やくさい)を施(ほとこ)すことを好(この)
むべからずその道(みち)に専一(せんいつ)な
らざれは良医(りやうい)のおほく
功(こう)をつみたるにはしからざる