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【右頁】
ずへし天命 一定(いつてい)ならずと
いへども天は万物(はんぶつ)を生々(せい〳〵)する
を心とし給へば大かたは寿(いのちなが)かる
べきものなり人の夭死(▢▢し)【左ルビ:わかしに】す
るは天命(てんめい)にそむく故なり
しかれば富貴(ふうき)を得(ゑ)たる人は
わが富貴なるは人をあはれ
み助(たす)けしめん為(ため)に天より授(さづ)
け給へるを思ひて己(おのれ)を約(つゞまやか)にし
て驕(おご)らす分限(ふんげん)にしたがひて
人をめぐむを楽しむときは
【左頁】
心こころよくしておのづから養生
の道にかなひ天の助(たすけ)ありて
寿(いのちなが)かるべし又貧賤(ひんせん)にある人
もわが命分(めいぶん)に安(やすん)じ外をう
らやみて得(ゑ)がたき富貴(ふうき)をねが
ふ心なき時は心 常(つね)にゆたか
にして楽(たの)しみおほくおのづから
長命なるべし富貴なり
とも一己(いつこ)の欲(よく)にふけり天命(てんめい)
を知(しら)ずして恣(ほしいまゝ)なる時は得たる
富貴を失(うしな)ふのみにあらず養