翻刻
【右頁】
生の道にもそむきて/夭(いのちみじか)かる
べし/貧賤(ひんせん)なりともわか/業(ぎやう)【かすれていて難読。「げふ」が正しい仮名遣いだが、一文字目が「ぎ」のように見える】
をよくつとむる時は天より/飢(うへ)
しめ給ふものにはあらず/富(ふう)
/貴(き)貧賤ともに天命の/限(かぎり)
此世に/住(すみ)はつるまでの事に
して富貴もうらやむべき
ものにはあらす貧賤なり
とていとふべきものにはあら
ず富貴貧賤にかゝはらす天命
を/楽(たの)しむときは/楽(たのしみ)おほく/寿(いのちなが)か
【左頁】
るべし富貴貧賤にかゝはるは
/智者(ちしや)の心にあらずといへり古歌に
〽数ならぬ/身(み)を/何(なに)ゆへになげきけん
とてもかくても/過(すご)しける世を
【新古今和歌集巻十八の1834番かと思われるが、そこでは「うらみけん」である】
〽心ある人のみ秋の月を見ば
うき身は何を思ひ出にせん
【新古今和歌集巻十六の1541番かと思われるが、そこでは「何をうき身の」の語順になっている】
養気【「養気」は四角で囲まれている】人すでに/肉親(にくしん)あれば
/飲食(ゐんしよく)【他のページでは正しく「いんしよく」の振り仮名がついているが、ここでは「ゐんしよく」となっている】を以この/身(み)を/養(やしな)ふ/然(しか)
れども養生の道は/気(き)を
/養(やしな)ふの第一とすべしよく
/飲食(ゐんしよく)を/節(せつ)にするといへども