翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

居家養生記 - 翻刻

居家養生記 - ページ 63

ページ: 63

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【右丁】 しかりとて病家(びやうか)の人 薬治(やくぢ)を あなどるべからず病邪(ひやうじや)は薬 にあらされは除きがたし只 近世(きんせい)の人(ひと)薬治に泥滞して 他(た)の治法(ぢほう)を軽(かろ)んじ其術(そのしゆつ)疎(おろそか) にして良法(りやうほう)を得(ゑ)ざるをかな しむのみ○ひそかに此 誤(あやまり)の源(みなも[と]) をおもふに病家(びやうか)の人只医は 病床(びやうしやう)につきたる時 薬剤(やくざい)を乞(こふ) ものとのみ思ひ病あるに臨(のぞ)み ても速(そく)効をねがひ頻(しきり)に 【左丁】 薬治 針治(しんぢ)を求(もとむ)るのみにして 常(つね)に養生(ようじやう)の術(しゆつ)をも乞求(こひもと)め ず又病あるにも灸治(きうぢ)食治(しよくぢ) をも求めずしかるより医家(いか) にも養生の術或は灸火(きうくは)を以 病(やまひ)を治するには強(しゐ)て心を用(もち) ひす灸点(きうてん)するは諺(ことはざ)にいへる 付(つけ)たり役(やく)のごとく思ひ又病家 にも薬剤(やくざい)を得(ゑ)しごとくには その恩(おも)【ママ 「おん」の誤ヵ】を思はすその報礼(ほうれい)も なさゞる 風俗(ふうそく)となりぬしか