翻刻
【右丁】
気のやしなひ少(すくな)けれべしば病を
生ず天の万物(ばんぶつ)を育(いく)するや
天の一気(いつき)みち〳〵て養(やしな)ふを
もつてよく生長(せいちやう)すよく土かい
肥(こへ)を加(くは)ふとも天気(てんき)のやしなひ
なくは生長(せいちやう)せざるべしたま
〳〵天気 不順(ふじゆん)なれば或は
虫つきあるひはかじけて生長
せさるがごとし
▲気(き)を養(やしな)ふには財欲(ざいよく)をすく
なふすべし財欲をすくなふ
【左丁】
する【注】には奢(おごり)をはぶくへし奢
をはぶくには口腹(こうふく)の欲(よく)声色(せいしよく)の
欲(よく)を遠(とお)ざくべし人 皆(みな)情欲(じやうよく)
にひかるゝより奢(おごり)を生し財(たから)
をつゐやすか故に財をむさぼ
るみな心を苦(くろ)しむる【注】の媒(なかだち)也
情欲を節(せつ)せざるの害(かい)大なり
つゝしむべし
▲人 財欲(ざいよく)をたくましくせは世
には上(うへ)に上ありて望(のぞみ)の尽(つく)る
期(ご)はある【注】べからずのぞみたり
【注 注を付けた「る」は終筆を丸めていないので「り」に見えるが、文脈上「る」とあるべきで筆者の癖と思われる。】