翻刻
【右丁】
をなして人を褒貶(ほうへん)し或は
異言(いけん)異風をなして世俗(せぞく)を
おどろかすものあり妄(みだり)に人
の評議(へうぎ)にのみ任(まか)すべからす
又わが気 象(しやう)に合ざるをにく
みて捨へからす
▲すべて古の医はその道
に真切(しんせつ)にして心を用ゆるに
厚(あつ)し上古(じやうこ)の聖人(せいじん)はいふもさ
らなりそれより代々(よゝ)の名
医とよばるゝ人は物(ぶつ)理に明
【左丁】
にしてみづから発明(はつめい)おほく治
効あり方 論(ろん)を立て今の世に
至るまて医の準則(じゆんそく)となる
近世の医はその道に真切(しんせつ)
ならず病因(ひやういん)病 症(しやう)を明かに
察(さつ)し薬性方意を審(つまびらか)にし
古人の微意(ひい)をさとり脈状(みやくじやう)
を切にして治を施(ほとこ)す医は
すくなし況(いはん)や治法にも古に
よろしく今によろしからざる
あり或は上古になくして