翻刻
【右丁】
として治 療(りやう)をなすは尤 危(あやう)
し少しく見 識(しき)あるも専(もつはら)
東垣(とうゑん)により。或は薛己(せつき)張介賓(ちやうかいひん)
が説(せつ)にしたがひ或は劉河㵎(りうかかん)
丹渓(たんけい)が説を荷担(かたん)し或は是
を偏僻(へんへき)なりとするものは
薛己 張介賓が説に従(したが)ふべ
きはしたがひ河㵎 丹渓が説に
従ひてよろしきは従ふべし
といふはいへともその説□に
猛浪(もうらう)【注】としてその宜(よろしき)に従ふ
【左丁】
発明もなく却(かへつ)てあやまり
おほし或は向上(こうじやう)の論(ろん)のみを
好(この)みて治法(ぢほう)のくはしきを求(もと)めす
或は方剤(ほうざい)を集(あつむ)るを好みて
理(り)を求るにうとく或は古人(こじん)の
深(しん)意をも悟(さと)らずして妄(みたり)に
古方を増減(そうげん)し或は少しく
見識(けんしき)あるも温薬(うんやく)つかひ人
参つかひなとゝ偏僻(へんへき)の名
をまぬかれすそれか手僻(てくせ)【ママ】
となり瀉下(しやげ)して治(ぢ)すべき
【注 「氵+孟」は誤ヵ。】