翻刻
【右丁】
として薬を少つゝ用ひ寛(くはん)
々(〳〵)と効(しるし)まつべし的中(てきちう)の
薬にても穀気(こくき)の養(やしなひ)より
おほく用ゆれはかへつて
害(かい)あり米穀(べいこく)は平和(へいわ)の物
薬物(やくふつ)は偏気(へんき)の物なれば也
▲およそ虚損(きよそん)の症(しやう)を補に
は薬を少く飲(のん)て緩(ゆるく)く【衍】效(しるし)
をとるへし風湿(ふうしつ)の症(しやう)を
攻(せむ)るには多く飲(のみ)て速(すみやか)に
効をとるへし○案(あん)ずるに
【左丁】
今 本朝(ほんてう)の薬剤(やくざい)すべて
量目(りやうめ)少し或人の曰 本朝(ほんてう)
の人は中華(ちうくは)の人よりは生稟(せいひん)
よはき故(ゆへ)なりとしかるに今
瘡毒(そうどく)を病る人 専(もつは)ら土茯苓(どぶくりやう)
の大剤(たいざい)を用ゆ尤小 剤(ざい)にて効(こう)
なきに大剤を用ひて効を
得(う)るものおほししかれば
その他(た)病邪(ひやうじや)を去(さ)るに大剤
に効あるものあらん病症(ひやうしやう)と
薬剤とを考へ心を尽(つく)す