翻刻
【右丁】
ざるべからす
▲薬を煎ずるに生(せい)熟の
二法あり初に水を少く入
ておほく汁をとるを生と
いふ熟(じゆく)といふは水をおほく入
て少く汁をとるをいふおよそ
補薬(ほやく)には熟を用ひ利 薬(やく)
には生(せい)をきらはず
▲薬を用ゆるに文火武火の二
ツあり文火とはぬるき火
なり武火は烈(はげ)しき火なり
【左丁】
補(ほ)剤には文火を用ひ瀉剤(しやざい)
には武火を用ゆべしおよそ
発(はつ)散瀉下の薬には堅(かた)き
炭(すみ)を用ひ滋補(じほ)の薬には
消(けし)炭を用ゆべし○煎薬
を温服(うんふく)するは湯気を借るの
意(こゝろ)なりぬるきを用ゆへからず
▲薬 滓(かす)をふたゝび煎ずるは
古法にはなし味(あぢはひ)に厚薄(かうはく)
あり気に軽 重(ちう)あれば若(もし)
ふたゝび煎ずるときは味 厚(あつく)