翻刻
【右丁】
実は品川式部少輔高如か男也 延宝六年の三月
廿二日寺社奉行奏者の事を兼ぬ
【左丁】
松平 萩【荻の誤】生
和泉守源家乗は徳川殿五代の祖源蔵人殿《割書:親忠|主》の長男
加賀守乗元五代の嫡孫也乘元始て三河国荻生の
地に住しけれは世の人荻生の松平と申けり《割書:荻生また大給に|つくるまた大給の卿》
《割書:にしるせるもあり 源の順が 和名|類聚抄を考ふるに卿にはあらず》其子左近大夫乗正其子源次
郎乗勝其子和泉守親乗親乗は安祥殿の御外孫《割書:親乗|の母》
《割書:は清康の御娘|なりし》徳川殿の御内にして名を得たる荻生の少目と
聞えしは此親乗の事也けり《割書:甲陽軍鑑にみゆ家忠|の日記増補に詳也》其子左近大夫
真乗永禄十二年の春掛川の城の先かけし此としの秋
城おちて石川日向守に加勢して此所を守り同き十二月