翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

(長命)養生教草 - 翻刻

(長命)養生教草 - ページ 21

ページ: 21

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ひにて少しづゝにても貯ふべきことなり日にほして 袋(ふくろ)に入おくべし又寒中に氷らせてたくはふるも よく上毛の在(ざい)などにては四月ごろより七月ごろ迄 は蚕(かひこ)にて農家殊の外 世話敷(せわしき)時節(じせつ)ゆゑ豆腐をこし らへるものなどなければ各 雪花菜(から)を日にほして袋 に入れおく所ありおのれ先年草津へ湯治せし時 神山(かみやま)といへる村へ止宿(とまり)けるに六月の頃なりしが味噌の 溜(たまり)を煮(に)えたて水を割(わ)り其中へほしたる雪花菜(から)を いれ巻藁(まきわら)にさしたか河鹿(かじか)をぬき焼直(やきなほ)してから汁の 内へいれ煑て出しゝが其味はひ中々よき物なりから をほすには手にて能々しぼり水気(みつけ)をとりてほすべし 左なければ急に干(ひ)あがらぬものなり風のある日は忽に ひることあり ○巻藁(まきわら)  《割書:江戸にていふ弁慶(べんけい)のことなり田舎にて魚の焼たる|を指おくわらをたばねたるものなりこれをべん》       《割書:けいといへるは七ツ道具をさすといふよりいひはじめ|たる俗語と見えたり江戸にてはしらぬ人もまたあ|れば図をいだす》 ○河鹿(かじか)  《割書:此魚も江戸にては知(し)る人稀なれば図をいだす山川|の流れや石川に住む魚なり上州辺の川には所々住め》       《割書:り形は魦魚(はぜ)ににて味ひははぜにまされり取立(とりたて)を魚田(ぎよでん)|にするときは鰻(うなぎ)にひとしく至て美味なりさて河鹿|は水中にこゑあることを前々より論ぜりいとおもしろき|ことにてなくとなかぬの論/紛(ふん)々として今にわからず|余前に議論あれ共短紙につくしがたくまた此書に》