翻刻
【右丁】
水(みづ)呑(のみ)そゝぎ根(ね)きり はつ きり
朝(あさ)夕(ゆふ)に水(みづ)のみそゝぐ人(ひと)ならば
四百(しひやく)四病(しびやう)のわづらひはなし
つゝしみはもとより人(ひと)の生(うま)れつき
朝(あさ)夕(ゆふ)そゝぎ水(みづ)で つゝし め
万病(まんびやう)とこゝろのあるをそゝぐには
水(みづ)をのめ人(ひと)水(みづ)に なれ ひ と
我(われ)としごろ多病(たびやう)にして医療(いりやう)に手(て)を尽(つくす)といへども
更(さら)にいゆることなかりしにはからずも右(みぎ)のうたを
得(え)て夫(か)の後漢書(ごかんしよ)に華陀(くわだ)が婦人(ふじん)の寒熱(かんねつ)注病(ちうびやう)を
【左丁】
治(ぢ)する南史(なんし)に徐嗣伯(じよしはく)が将軍(しやうぐん)房伯玉(ぼうはくぎよく)が冷疾(れいしつ)を
治(ぢ)する潅水(くわんすゐ)の法(ほふ)とよく符合(ふごう)するをもつて日々(ひゞ)
潅水(くわんすゐ)しこれを試(こゝろみる)にはたして其(その)験(しるし)を得(え)たり
しかしよりこのかた家内(かない)はさらにもいはず 識(しる)
人々(ひと〴〵)にすゝめて試(こゝろみ)るに諸病(しよびやう)悉(こと〴〵)く治(ぢ)せずといふ
事(こと)なし功能(こうのう)あることを世々(よゝ)広(ひろ)く伝(つた)へざるも 本(ほ)
意(い)なければ こたび おもひおこして印施(いんし)せしむ
されどもことなる療養(りやうよう)なればそしれる人(ひと)多(おほ)かる
べけれとそは管中(くわんちう)天(てん)を窺(うかゞ)ふたぐひなればかゝつ
らふべきにあらず我(われ)も前(さき)にはその水(みづ)を悪(にく)みて