翻刻
【右丁】
小菴
いろ〳〵
みやうやくを
はなしけれども
とかくせけんに
かい【害】のなき
めいほう【名方=薬の名高い調合法】が
ありそふな
ものとたづぬれは
とうらくなやまいに
としはくすり【注①】といふほう【方】もあり
人のせんきをづゝうにやむと
いふによいくすりもあれど
なに
よりは
うれそうな
ものは
しゅ
みやうの
くすりが
よかろふと
ほうくみは
のかけ【野懸け=野遊び】の
つみくさ
よし原の
【左丁】
さくら
さん芝居【注②】の
みかんのかわ
まんくわんしても
けんひし【注③】にても
あたゝめさけにて
もちゆさしやい
きんもつは
こゝろつか【別本にて判断】いと
大晦日と
おしへければ
いかさま【きっと】これは
よさそふな
くすりと
しやうち
して
むすこに
きん【別本にて判断】〳〵と
しやうかぶを
こしらへてやる
つもりにて
よろこひ
小菴くふに
おすいものにて
ちそふする
【右丁下部】
おまへも
ち【別本にて判断】と
もち【別本にて判断】いて
ごろふ
じろ
いかさまな
【左丁中段】
ねむるな
こく〳〵【この語別本には無し】
【注① 年は薬=年をとるに従って思慮分別ができること】
【注② 三芝居=江戸にあった中村座、市村座、森田座の三座】
【注③ 剣菱=摂津国(兵庫県)伊丹から産する上等の酒の銘柄。江戸時代最も賞味され、将軍の御膳酒にもなったもの。】
【参照 東京都立中央図書館所蔵本 https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100053339/viewer/14】