翻刻
【右丁】
竹斎中 一
かたへそおもむきける。折(をり)ふしをんなは
いたはる事ありて。おもやせてありけるか
竹斎を見まいらせ。実(げに)心よろしくおほえん
もにくからぬ風情(ふぜい)にや。竹斎はいつにちかひ
てものあんじすがたなるを。をんないかゝや
おもひけんなと竹(ちく)さまは此ほと少(すこし)見まいら
せぬうちに。かくまてはやつれ給ふそや。さだ
めてよそくるひ【注①】にやせいつき給らんとくね
れは【注②】
【注① よそぐるい(余所狂い)=夫が妻以外の女に夢中になること。】
【注② すねれば。】
【左丁 挿絵】