翻刻
【右丁】
おもひ竹斎の宿所(しゆくしよ)に見まひ侍しに。竹斎は
今朝(けさ)より他行(たきやう)したるよしをいへは。にらみ■【見せ消ちヵ】
仏(ほとけ)なき堂(だう)へまいりたる心ちして。こゝやかし
こ人をまはして尋(たつ)ねさせ侍れとも。其有
所しるくしれざれは。にらみ心におもふやう。
またれいのよからぬしのひあるきにや
とやせましくやあらましと思ひ。とかく其
当日(たうにち)も近くなりゆけは。我々たつね出(いた)し
ものかたりもせはやと。内(ない)々 聞(きゝ)ふれたる。こ
あみ町のあたり。さがし出し門外(もんくわい)に立より。あ
【左丁 挿絵】