翻刻!江戸の医療と養生

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竹斎狂歌物語 3巻 - 翻刻

竹斎狂歌物語 3巻 - ページ 25

ページ: 25

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【左丁】 にあかぬわかれせしか。はしめはあなたこなた みやつかへせしとぞ。後(のち)にはさまをかへ竹斎 のゆくゑたつねんとてみやこのかたへ上(のほ)りし か。竹斎世をはやうせし【注①】と聞(きゝ)て。さかのおくに 取(とり)こもりおこなひすまし往生(わうしやう)の素懐(そくわい)【注②】 をとけけるこそ。あはれにいとおしきわさに や。竹 若(わか)も其 後(のち)家(いへ)とみさかへ。父母(ちゝはゝ)のゆくゑ たつねに都(みやこ)に上り。此事ともを聞(きゝ)て父母(ちゝはゝ)の 菩提(ぼだい)のためとて。新黒(しんくろ)たにゝていかめしき。と ふらひせるとこそ。誠(まこと)に恩愛(おんあい)の道(みち)ほとあは 【左丁】 れなるものはなきとて、聞(きく)人袖をぬらさぬ はなかりけり   第五十がかゝよく心(しん)をかまゆる事 竹斎は猶(なを)ひつはくせるうちにもかたぎ ぬ夜(よ)きのせんたく、にんとも、たのみをかけし 思ひものは。にらみの介に手をきらるゝ我(わか) 身(み)ひとつの、秋かせに。花(はな)にたいしてねふるお もひにふしてありけるよしを。此おもひものを きもいりし。十がかゝといへる。伝(つた)へ聞(きく)。かの女(をんな)の 所(ところ)へゆき。いれじやうね【注➂】せるこそ冷(すさま)じ【「す」の濁点は不要】けれ。のふい 【注① 世を早うする=若死にする。夭逝する。】 【注② 日頃の望み。】 【注➂ 入性根=入れ知恵】