翻刻!江戸の医療と養生

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竹斎狂歌物語 3巻 - 翻刻

竹斎狂歌物語 3巻 - ページ 41

ページ: 41

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【右丁】 をよらぬはなかりけり。かゝりけるところに あるしのおきな。年(とし)よりのくせとして。ねもせて あかす折節(おりふし)きぬたの音(をと)にゆめさめて。これもまた 物おもふ袖の露(つゆ)。ちゝにくたくるはかり也あるし 二人のね物かたりを聞(きゝ)。我もむかしは男(おとこ)山男 といはれし身なりしか。いかなる宿世(しゆくせ)のむくひや らん今こそかやうになりぬもの。いで此まれ 人をなぐさめんと。同じ比なるをんなをいざ なひてうしさかづきたづさへ。ついまつ【注①】に火 をともし。竹斎かとのゐせし。おくのでい【注②】 【左丁】 へぞいりにける。にらみの介こはふしぎ成(なる) 事どもなり。つたへきく此宿(このしゆく)は。盗(ぬす)人 多(をゝ)き 所(ところ)なりと思ひねたる所をずんどたち。し りざし【注➂】かたくさしかため。壱尺三寸【注④】をくつ ろげ。【注⑤】声(こゑ)あららかにとがめたり。ちくさいは すこしもさばくけしきもなく。有為転(うゐてん) 変(べん)のゆめの世(よ)に。たれあつて百年を過(すご)さん せばき心よりして見れは。我と人とにへだて 有。さとれは人家(にんか)へだてなし。よしぬす人 にてもあらばあれ来りたがる人をとゞめんもよ 【注① 続松=たいまつ(松明)のこと。ツギマツの音便形という。】 【注② 出居=寝殿造りに設けられた居間兼来客接待用の部屋。のちには座敷の意。】 【注③ 遣り戸、戸障子などを閉めたあと、開かない様にはすかいに差しておく棒。つっかい棒。】 【注④ ⦅刃渡りが一尺三寸(約四〇㎝)あるところから⦆懐剣の異称。】 【注⑤ かたくしまっているものをゆるめる。】