翻刻!江戸の医療と養生

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竹斎狂歌物語 3巻 - 翻刻

竹斎狂歌物語 3巻 - ページ 42

ページ: 42

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【右丁】 しなし【注①】こなたへ来り給へや。さりながらその 方も仕合(しあわせ)あしき人成。とてもまさなき【注②】わざ するならば。たのしき人をこそ□【うヵ】ちとりもし 給はで。いかなれはこのするすみ【注➂】なる身に。心 をかけ給ふそやといへはあるじはいやさやうの ものにては候はず。あけさせ給へといふを。に らみの介猶も心ゆかすかたなかりしを 竹斎またいふやう。いやふるき語(ことば)にもうら むるものは其(その)声(こゑ)かなしといへる事あり 唯(たゞ)今(いま)の物こし。盗(ぬす)人にてもよもあらしとて 【左丁】 みつからたちて戸をひらけは。ぬす人にて はあらずして。あるしふうふのものてう しにさかづきとりそへ。竹斎がたびのつかれ をなくさめける。竹斎なのめならず【注④】よろ こひ。有しむかしの事どもかたり侍れは。ある じものこす心なく。それがしもいにしへは此 所(ところ)にて名(な)あるものにて候か。をさなき時(とき)より 父母(ふも)にをくれそれより後(のち)。あはれともいふへき 人はおもほえて。身もいたつらになりはて て。少ものゝ心をしれりしより。いかなる事 【注① よしなし=方法がない。】 【注② 正無き=正常でない】 【注➂ 体一つしかないこと。裸一貫で、他に何も持たないこと。】 【注④ 普通でない。格別である。】