翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

竹斎狂歌物語 3巻 - 翻刻

竹斎狂歌物語 3巻 - ページ 44

ページ: 44

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【右丁】 もかたりいて。うきをなぐさめ侍べし 我もそのか□は此 里(さと)のならびなる。何がしと いへるにものゝふかきねやに。やしなはれ。あ したにはあづまを引。ゆふべにはつくば山 のもとに立(たち)。なにはのうらなみをくみ日 をくらし夜(よ)をあかせしに。所(ところ)の人 多(おほ)くよばひ わたり侍りけれども。時雨(しぐれ)にそまぬみねの 松(まつ)。心つれなく侍りて。はたちの春秋(はるあき)を独(ひとり) をくり侍しに。あのをきながふゑのねに思ひ うかるゝ事ありて。くれたけのをきふし 【左丁】 をもおなじしとねにまくらをならべ其 後(のち) ひとりの子にをくれ。四十(よそし)あまりの月年を くらし。今 百(もゝ)とせにひとゝせたらぬつくも がみ【注①】。かゝるすがたもはづかしのもりてや他(た) 人(にん)にしられんと。めもくれなゐにそふし しつむ神のなみたももる月に。此世のほか のあはれなり。ふうふはまれ”人をなぐさめん と。身のうへをかたりだし。にらみはふうふを いさめんと。我事をいひ出し。かたる人もきく 人も。なみだにつきはなかりけりやゝあり 【注① 九十九髪=老人の白髪。】