翻刻
【右丁】
て竹斎、なにとよあるじは。あつまの名あり
とや。とてもの事にむかしをおもひ出。一 曲(ひよく)た
むじ【弾じ】我等(われら)に聞(きか)せ給へてとあれは。あるじい
へるやうは。さん候我等も其むかしは。そら
ゆくかりのねをきゝては二十五絃をた
むずれは。をきなも龍(れう)の吟(ぎん)をふきすさみ
春風(しゆんふう)桃李(たうり)花開日(はなのひらくるひ) 秋雨(しうう)梧桐(ごとう)葉落時(はのおつるとき)しも
あかすちきりしかよひよりかたることく
今ははや。黄金(をうごん)用(もちひ)尽(つくして)歌舞(かふを)止(やむ)身となりて
さふらへば。ゆるし給へとかたりける
【左丁 挿絵】