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竹斎狂歌物語 3巻 - 翻刻

竹斎狂歌物語 3巻 - ページ 47

ページ: 47

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【右丁】 主従(しう〴〵)はゆめのうちに、ゆめのさめたる心ちし て。幽霊(ゆうれい)出離(しゆつり)【注①】生死(しやうじ)頓証(とんせう)【證】【注②】菩提(ぼだい)と打づして。 あしにまかすかならひとて。江じりのさとに つきにけり。此 里(さと)のかたはら。田の中 ̄ニ すこし き池(いけ)あり。このいけのはたに人あまたあつ まるを立よりたづぬれは。これは即(すなはち)むかし 文禄(ぶんろく)の比(ころ)かとよ。里(さと)人の女(をんな)あまり ̄ニ しつとの ふかきゆへ下(しも)につかへるをんなにも。つらく あたり。おつとにもつねにむかひ火(ひ)。作(つく)り ふすべものしなどせし。しうねさ【注➂】にやしゝて 【左丁】 のちも此ほりに。たましゐとゞまり。猶 執着(しうじやく) のなみにしづみ。うかみ【浮かみ】もやらぬ身となり 今がいまにも。うば〳〵とよぶ人あれは。かきり もなく。あはだつとこそかたりけれ。よした【吉田】 なかぬままりこの宿(しゆく)。ひもしさやあたま もなのめうつの山。つゝのほそ道(みち)心ほそ。 我いらんとする道(みち)はうそぐらさ【注④】よ。むかし 在原(ありはら)の中将(ちうじやう)このところにいたりて。ゆめにも 人にあはぬなりけりとよみ給へば。実(げに)用心(ようじん)あ しき所とおほえたり、にらみの介 相(あひ)かまへ 【注① 世俗のわずらいを離れて雑念を断つこと。】 【注② たちどころに悟りに達すること。】 【注➂ 執念さ=形容詞しゅうねし(執念し)の語幹に接尾語「さ」の付いたもの。執着すること。】 【注④ うすぐらさ(薄暗さ)に同じ。】