翻刻
【右丁】
てぬかりばしするなとあれは。にらみ承(うけたまは)り
きみはかの□聖(せい)老子(らうし)の言葉(ことは)をしろしめさ
れずや。得がたきたからをたうとみざれは
民(たみ)をしてぬす人なからしめ。またたから
をゝきときは身をまい【「も」の誤記か 注】るにうとしこそ。よし
たの何がしものたまへり我 主従(しう〴〵)の中に
ありとらるべきものありてようしんせんと
て。かのなりひらの哥をほんあんせり
すりやあるうつの山べのうつゝにも
ゆめにもすりにあはぬすりきり
【左丁 挿絵】
【注 吉田兼好の『徒然草』第三十八段に「財多ければ身を守るにまどし」(財産が多いとそれに心を使うことが多くて自分を守り保つことがおろそかになる。)とあり、その文意の引用と思われる。】