翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

竹斎狂歌物語 3巻 - 翻刻

竹斎狂歌物語 3巻 - ページ 8

ページ: 8

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【右丁】 案(あん)しゐたるおりから大(おほ)屋のあるし。をと つれたり。にらみ待(まち)とりて右(みき)のあらまし かたれは。あるじのいはく、通(とを)り町の何かし こそ大 福(ふく)長者(ちやうじや)にて。しかも此ころ京うち 参りあるへきよし。承(うけたまは)るとかたれは。にらみ よろしき事に思(おもひ)ひ。【語尾の重複】あけなはかの所(ところ)にまか り。をして出(いで)入申し侍らはやと思ひ。ねよつ【子四ツ】う しみつ【丑三ツ】のほとも過(すき)行(ゆけ)はひかししらみのはい 出て。かの長者の門外(もんくわい)にたゝすみたり。其(その) 日はたいめんする事もなくかへりけり 【左丁】 またあくる日も。さう〳〵門外(もんくわい)につめかけた り。門 守(しゆ)あやしやととかむれとも。少もきゝ いれはこそ。其後(そののち)あるしは。あんだ【注】のりもの にのり。うへ野のかたへ遊山(ゆさん)に出給はんとするに 門外(もんくわい)にやう有けなる。おとこすご〳〵と立(たち) たり。長者(ちやうしや)のりものゝうちより。あやしや たそとたつねしかはにらみの介やかてかしこ まり。これはやぶぐすしの竹斎 老(らう)のうちに にらみの介と申すものにて侍なり。ない〳〵 御 前(まへ)に申上たき事。あるといへともたれ【誰】し 【注 箯輿(あんだ)=左右に畳表を垂れた粗末な駕籠。町駕籠として用いた。】