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持てかたづかずはふみくだいて捨べいと。すてに手をかけん
とす仕丁共びく共せず。《割書:ハテ|》かや〳〵とやかましい道がせば
くはのいて通れ。所も大内の女中世継御前より。余五(よご)
将軍(しやうぐん)惟茂(これもち)公への御進物。ふみくだかは首から先へ。出して置と
たつた一口にいひ返す。諸任くはつと腹を立《割書:ヤイヤイ|》。うぬらが
惟茂風聞たゝなし。其島だい打くだき青才六めらそれ
ふみ殺(ころ)せ。承ると歩(かち)若党(わかとう)どつとよれは仕丁共。無法者(むほうもの)を
相手にするはかつたいと棒(ぼう)打。此お屋形(やかた)頼ますと門のう
ちへかき入。御進物に疵(きづ)さへ付ねば面々はいひわけ立。いぬ
死すな《割書:サア|》こい〳〵と一さんかけて逃(にげ)てけり。よし〳〵いひ
かいなき下主めらかまふな〳〵。惟茂がつらをふむどうぜん
門内へこみ入て島だいをふみくだけ。ふみひしやげと下知(げぢ)
をなし乱(みだ)れ入らんとする所に。大 紋(もん)にゑぼしかけ大の男門
一はいにつゝ立て。より付者をひつつかみ〳〵弓手馬手へ