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なんと。《割書:ハアヽ|》事おかし。馬の足にかけがへあらば一寸ても乗
入て見よ。《割書:ヲヽ|》所望(しよもう)ならば是見よと乗こむ馬のまへずね。
両手に取てこりや〳〵〳〵めよりたかくさしあぐれは。馬は
さんたをするごとく諸任はあをのけに。ころびをうつては
ね返しまつさか様にぞ落たりけり。顔(かほ)をしかめて。《割書:エヽ|》あ
ほう力のくげ侍。何をくらいこんだやらくらいだをれ覚へて
おれと。砂打ふるい腰(こし)をさすつて立帰る。跡からちが〳〵
ちんば馬見ぐるしかりける有様也。利綱とつと打笑ひ。御内の
者共此島だい。惟茂卿迄届申せといふ所へ。姫君いかれるかんばせ
にてまちや〳〵利綱。世継とやらいふ女惟茂様を。我物がほに
ほてくろい此長文。なんぼほうらいの島だいて祝ふても。相生
と契り置たは此玉ゆら鶴亀も引むしつて松竹もおつて
すちや。追出されうが殺(ころ)されうかおやかたへかけこんで。一足成共みづ
からが先へ嫁入(よめり)して見せうと。かけ出給ふをいだきとめて是姫君。