翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

紅葉狩剱本地 - 翻刻

紅葉狩剱本地 - ページ 25

ページ: 25

翻刻

【右丁】 功(こう)の武士さへ逃足にいはんやかひなき青女房。中間小者乗物捨皆 ちり〳〵に落うせけり世継御前は声を上 ̄ケ是はそも何ごとぞ何者 のしわざぞやたすけてくれよと泣給ふ走寄て《割書:ヲヽ》お道理〳〵。某が 有からは悲しい事はない。あれ月代(つきしろ)もあかつたり惟茂卿へも程ちかし。乗 物の一 挺(ちやう)などはひつかたげても参らふが。先お心をしつめられいさそろ 〳〵おかちでと。乗物の戸を明れば《割書:ヤヽ》こは。そなたは見しらぬ何者しや と二度びつくりに魂(たましい)きへ。利綱も横(よこ)手を打こりやちがふた。《割書:エヽ》せくまい〳〵 【左丁】 と思へ共せいたそうな。口惜やと我身ながらも身にうろたへあきれて 空を見る顔(かほ)も。廿三夜のま夜中の月もきよろりと出にける。かゝる所 に匹夫(ひつふ)共七人計乗物かゝせ馳(はせ)来り。あれこそ金剛兵衛利綱。《割書:ヤイ|》うろ たへ者。主の娘は此乗物此方に入用なし。世継御前と平国の御太刀所 望ゆへ。取ちかへてこつちも麁相(そさう)そつちも麁相。太刀の行衛は追て の沙汰先此乗物とかへ〳〵すれは両方よし両徳渡せ〳〵と わめきける。利綱大きにいさみ出やれ〳〵よふ来たなあ。此金剛兵衛を