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梅の井。おそらく恋の道の孫氏(そんし)呉子(ごし)。ぐんんばいふつて勝負(せうぶ)を
つけねば帰らぬ。世継御前も宣旨(せんじ)なれは嫁(よめ)入せねばきかぬ
気。玉ゆら様も契約(けいやく)なればいきりきつて嫁入する気。おふたりの
上らうを何かなしに。此御屋形へむかへ取て其うへて埒(らち)を明(あけ)さんせ。是
御 家老(からう)此通りお取次。きり〳〵お返事〳〵とさし付様にせがま
れ。おもだか次郎あたまをかきさりとは一世一 期(ご)のめいわく。第一われら
ゆみや打物取て。誰にまけんと存ぜね共色ことかつふつぶゑ手
なり。いづれにても若手の武士にお頼なされあいた〳〵あいたしこ〳〵
又れいの疝気(せんき)。おんじやくあぶつて来る間。暫くそれにと
偽つて。走 ̄リ入らんとする所を。どつこいやらぬと袴(はかま)にすがり。《割書:エヽ|》手の
わるひ御家老様。色事 不得(ぶゑ)手といふ下からうそつくすべはしつ
てじやの。余の取次で済ことなら。あつたら口に風ひかせて
こな様は頼まぬ。いやでもおふでもお取次ひとりわるくはふたり
づれ。手を引あふて出たら女夫じやといはふぞへ。いふたら大事は。