翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

紅葉狩剱本地 - 翻刻

紅葉狩剱本地 - ページ 34

ページ: 34

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私も定る男はなしうき名がたゝばそれかぎり《割書:サア|》。こざんせと 手を取て引ずれば。したゝるいなんのまね。ひげぐちそらして どうさんせかうさんせと。ひらたくたい口上がどふ主人へいはるゝもの。 一生の厚恩(かうをん)こらや〳〵とふり切て変化に恐(おそ)れぬおもだかも。 後(うしろ)を見せて逃つ。かくれつあなたへ追かけこなたへかゞみ。走廻つ て後成。一間にぐはたと行あたり。襖(ふすま)につれておもだか次郎 あをのけにどうとこけ。起あがれば惟茂卿 見台(けんだい)にむか わせ給ひ御 学問(がくもん)の最中(さいちう)。二人ははつと飛のいてせきめんしたる 計也。惟茂につこと笑はせ給ひ。さいぜんよりの有増(あらまし)聞たるぞ。 物がたきおもだかゞ取次しかぬるもことはり。お身は金剛兵衛が妹(いもと) 梅の井とや。兄利綱が働(はたらき)にて世継が身の上つゝがなく。玉ゆら 諸共かくまへ置たる由過分〳〵。我も飛立玉ゆら姫ゆかしさ かぎりあらね共。平国(くにむけ)の御太刀 紛失(ふんしつ)したる事いかゞと詮義(せんぎ)の 最中。世間のとなへを憚(はゞか)りふみをもつても音づれず。女ごゝろに