翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

紅葉狩剱本地 - 翻刻

紅葉狩剱本地 - ページ 37

ページ: 37

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おもだか。主従都を出しと聞かは大悪不道の諸任。いか成ことをか 仕出し朝家の御為家のため。後悔(こうくわい)有らんは必定(ひつじやう)也。汝が家に残る こそ惟茂か身二つ有も同じなれど。主従心 隔(へだて)なくしたしみ ふかき言葉の花。築(つき)山の紬【岫ヵ】道を裏門よりと出給へは。おもだか次郎 も力なく跡にとゞまり御後見送れば見帰つて主従互の 御名残。つきせぬ月の都の空中に隔て〽別れ路と。神な らぬ身は白玉か。責て何ぞと我涙。とふ人もなきひとりね のうき身もつらく世もつらき。世継御ぜん玉ゆら姫。男ほしいも 床しいも。同じ思ひの同じ身を。同じすみかにむつまじく。御哥 合草むすび。悪性(あくしやう)咄とり〳〵に。乱れし髪(かみ)を二面の鏡向ふ 〽粧ひ誰が為につくろふ影ぞ仇(あだ)【徒ヵ】人に。かく共つげよ。つけの櫛(くし)腰 もと二人がすく髪に。あたりもかほる梅かほる庭のこち風ふん〳〵と 心ときめく御すまゐ。かゝる所へ梅の井惟茂卿の門外より。走やら こけるやら息を切て帰りしが。長廊下をぐはた〳〵〳〵障子(しやうじ)ひつ