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しやりあけるやいなや。《割書:サア》戻(もどつ)た〳〵わし一代のちゑ袋。ふるなも
どきの上 唇(くちびる)咽(のど)のかきがね舌のつり緒(お)おとがひのおつる程。こつち
からもしやべるあつちからもしやべる。そうしてかふしてどふしてと。
やり羽子(はご)のつめひらきかきあつめた咄も有。《割書:ヤア|》息(いき)がきれる水一つと。
跡先いはず真中へべつたりとすはるにぞ。世継ごぜん玉ゆら姫
両方より立かゝり《割書:コレ|》梅の井。おやかたのしゆびきづかひな。惟茂様に
おめにかゝつてか。きしませずとはなしや早ふ聞たい〳〵。《割書:サア〳〵|》どふぞと
ゆすり立られ。梅の井といきほつとつぎ。《割書:エヽ|》あんまりびろ〳〵遊
ばすな。聞まいと有ても是がいはいで済物か。まあとんと主様に
直にあふたと思はんせ。そして恨の山々おふたりに成かはつて。たくしかけ
くなんなくこちの理潤にして。追付むかひの乗物おふたりながら
おやかたへ。迎ひ取てだいてねてかはいがろとのお返事。別してあ
なたの御念が入て。こしらへは何も入らぬお手道具より櫛笥(くしげ)より。
三百目入の地黄箱五六千も用意なされとの御口上。おふたり様へ