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のお文箱渡しますると指出す。二人の姫君飛立計。忝ないと
嬉しいと余りの事に手もふるひ。夢ではないか玉ゆらさま。《割書:マア|》お前
から御らんなされませ。《割書:ハアテ》時宜(じぎ)のない事そもじ様からよましやんせ。
そんならいつそ一時にと。文箱あくるも恋人に大だかのむすび文。
まいる身よりの御すさみひらく間おそしとくり返し。読返し巻
返し見れ共むかひの輿(こし)とはなく。御太刀尋出さん為やかたをも
忍び出。野山の起(おき)ふし此世のあふせ定なし。死せば未来と計
にて玉ゆら姫の文章(ぶんしやう)も。世継御前の御すさみも同じつらさの
筆の跡。はつと計に胸(むね)ふさがりさしうつ。むいておはします。梅の井
あきれた顔付にて是姫様がた。おてき様の千話(ちは)文おふたりな
からおどつゝはねつ。お悦びて有ふときおひかゝつて戻つたに。
扨 ̄ツてもあてのちがふたあのすねくろしいお顔はい。世継様なんと
玉ゆら様こりやどふぞ。《割書:エヽ|》気がゝりなわけも聞せず。お意地(いぢ)の
わるい中からわたしが読(よん)で見て。はんだんなさふと御文箱とらんと