← 前のページ
ページ 40 / 100
次のページ →
翻刻
するを玉ゆら姫つきのけ。《割書:エヽ》なんじやの。我きげんのよいまゝに
さは〳〵〳〵〳〵かしましい見たふない。おきやいのとひんとふつたる顔ばせに。
梅のい猶も合点ゆかず。こりやまあどういふせんさく一さいわしは
のみこまぬ。世つぎさまけなお子じや。お文の通有様に読(よみ)成と咄
成と落つかして下さんせ。爰なお子もしぶといきり〳〵いはんせ
どふぞいのと。せゝくり寄てといかくり。世つぎこぜんは文の表つゝまず
あかさばこれもち様。御家出有しと口々に世間へしれてはお家
の御大じ。我身のだいじも此時とそらさぬふりにて。《割書:アヽ|》べしても
ない【注】ことを。何がそれ程聞たい追付むかひに乗物やる。それ迄は
まめでゐて随分きりやうあげておきや。女夫も〳〵二世三
世いとしいぞかはいぞと。したゝるい御文章我身でさへ恥しい。まし
て他人に是がまあつがもないことばつかりと。詞にまぎらし御文
箱へおさめ入んとし給ふにぞ。玉ゆら姫は此咄聞よりむねも
とき〳〵と。《割書:エヽ|》妬(ねたま)しや我方へは家出したりとうそついて。世継に
【注 べしてもない=たいしたこともない。】